続日本100名城に認定されている大阪府の岸和田城址。いくつも見どころがある城ですが、私が巡ってみた感想は石垣だと思いました。その理由は時代による積み直しや工法の違いがわかりやすいからです。
なぜ工法が違うのか?その理由
岸和田城本丸の東西南北すべてにいえることですが、石垣の積み直しを見ることができます。
●向かって右側は打込接(うちこみはぎ)。スキマに石を詰め込む工法
●向かって左側は切込接(きりこみはぎ)。石のスキマを極力無くす様に加工
どちらかといえば、左側の切込接(きりこみはぎ)のほうが時代が新しい。言い換えれば施工者の技術の違い、また時代の違いでもあります。
こちらも右と左で工法や石の種類が違うのがわかります。特に向かって右側は石の種類も違い、補修の跡というのがわかります。
崩落箇所も
岸和田城の石垣は積み直しだけではなく、崩落している箇所も目立ちます。例えばこちらは櫓下の石が抜け落ちています。櫓の重量に耐えきれずに抜け落ちたのか、また石垣の積み方が悪かったのかわかりませんが、周辺の石も抜け落ちるかもしれません。
↑こちらはさらに深刻な石垣。その理由は隅石(すみいし)といって、石垣の角、しかも下部の石が抜け落ちているからです。下部の石が抜けると上の石も崩落するおそれがあります。
私の感想
私の感想ですが、岸和田城の石垣は積み直しや崩落箇所もわかりやすいので、今のうちに巡っておき、石垣の写真をバシバシ撮っておくのがおすすめだと思います。なぜかというと、そのうち大規模崩落、もしくは大規模改修が行われるかもしれないからです。
石垣が崩れると、なかなかもとの状態に戻すのは難しいですし、時間や予算もかかるので、今のうちにシッカリと見ておきたい石垣だと思います。