滋賀県彦根市の彦根城にある天秤櫓(重要文化財)。両端に荷物を下げた天秤みたいな櫓なのでこの名前がつきました。彦根城表門から天守に向かう場合、この天秤櫓を通るのですが、その時に石垣をチェックしてみると工法の違いがわかります。
石垣の工法の違い
向かって右側は牛蒡積み(ごぼうづみ)という工法。ぱっと見ると自然石をほとんど加工せずに組み合わせた野面積みに見えます。野面積みと牛蒡積みの違いですが、牛蒡積みは奥行きがある長い石を使っており、石垣をより頑丈にした工法です。築城当初はこの牛蒡積みだったといわれています。
向かって左は落し積み、石をナナメに積む技法。谷積みともいいます。
なぜ工法が違うの?
ここでの疑問は、なぜ同じ天秤櫓の石垣なのに積み方が左右違うの?ということ。実は天秤櫓は江戸時代を通して修復を繰り返されており、中でも嘉永七年(1854)の大規模改修工事では、建物と石垣が大きく修理されているからです。
築城当初は両方とも牛蒡積みだったのでしょうが、幕末の嘉永年間になると谷積みのほうが優れていると判断されたためではないでしょうか?
【Q】江戸時代はいつからいつまで?
一般的には徳川家康が征夷大将軍に任命されて江戸に幕府を開く慶長八年(1603)から、大政奉還後に明治に改元される慶応四年(1868)までの265年間。
私の感想
私の彦根城天秤櫓の感想ですが、インパクトがある珍しい建物なので、すぐに中に入りたくなると思いますが、石垣をよく見てみると時代の変化がわかるので面白いと思いました。